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ZeTMAN-ゼブンジャー1章-3 「拓ちゃん?」

倒れているぼく。泣き叫ぶふわり。立ち去ろうとする大漢。きょとんとそれを見つめるぼく。

ここは、あの瞬間のバスだ。

ぼくはあの瞬間、大漢と戦闘をしていた。その大漢はかなりやばい人物で、ふわりを守るために戦闘した。結果、ぼくはやられた。死んでいてもおかしくないはずだが、なぜかぼくは生きている。

「お兄ちゃんを、、、お兄ちゃんを返して!」

ふわりが大漢に向かって怒鳴った。

やめろ、ふわり!

ぼくは大声をはりあげたが、車内には全く響かない。

「うるさいぞ。小娘が」

大漢のドスの効いた低音。ヤクザか警察しか出さない音だ。

ふわり、いいから、ぼくは生きているから!

さっきよりも大声で叫ぶ。

「いいから、助けて!わたしはどうなってもいいから!だから、助けてっ!」

ふわりはかすれるような声で言った。

「じゃ、死ぬか?そいつと一緒に」

やめろ!

ぼくは気がついたら、大漢を殴りかかっていた。

しかし拳は空振った。

くそが!

何度も殴りかかるが、何度やっても当たらない。

大漢がふわりに近づく。

その瞬間、窓ガラスがパリーンと割れ、すかしたイケメンが大漢の前に立ち塞がった。なんとそのイケメンは拓ちゃんだった。オカマが経営するあの喫茶店にいたすかしたイケメンこと拓ちゃんだ。